言いたいことは言ってやる!

私が新卒で入った会社は通販会社でしたが、某セゾングループの一員だったせいか、営業会議の段階で、最後の営業総利益までキッチリと出していました。ひとつ前の某業界誌の出版社も、普通の会社組織とはちょっと違う形態だったためか、決算の時にはかなり細かいところまで数字を出していました。

ところがこの出版社は、会長が1人でやっているようなものですから、会長と経理のモグロさん(1年ほど前に入社した40代の男性。入ったその日に会社都合退社の取り付けを目指しはじめたというw)しか、決算書を見たことがないんだろうと思います。

会社に来たこともない会長の奥さんをはじめとする会長一家役員報酬を得ており、その減額もないまま今回の解雇劇です。会長の自宅も社宅としているそうですから、細かく数字を出しはじめたら、ホコリがモウモウと立ち上るに違いありません。

だから、会長側から赤字の根拠なんて出てくるわけはないので、私はこの直前の三連休に、赤字の根拠とされるものを突き止めるため、チーフ会議で配られた昨期の収支表1年分を、自宅のパソコンのエクセルに打ち込みまくっていたのです。

私「決算書を出して欲しいということです」、会長「そんなものは出せませんよ!」、私「私は自分で、この会社の書籍の赤字がどんなものなのかを知るために、昨期発行された出版物すべての差し引き収支と、2016年9月までの清算後注文数をもとにした売上高を、一覧表にして全部出してみたんです。……それで、会長がおっしゃっている赤字????万円というのは、清算時の差し引き収支の話ですか、それとも清算終了後の注文も入れたものですか?」会長が適当な数字を言って、解雇を正当化しようとしてないかを見るために質問してみました。(もちろん、赤字額が正しくて、それが私たちの部署のものだとしても、解雇は正当にはなりません)

会長は「清算時点です」と答えました。どうやら適当な数字を言っていたわけではなさそうでした。私「まず、私たち書籍部は、好き勝手に自分たちの作りたい本を作っていたわけではなく、トップダウンで作った本がかなりあったということです」、会長 「うん知ってるよ。知ってますよ、そんなことは」、私「それで、赤字の中でトップダウンで作った本が、どれぐらいの割合を占めているかを調べたんですけれども、会長がトップダウンで下したものが3割、前社長がトップダウンで下したものが3割、ですから、6割がトップダウンでくだされたものだったんです。残り4割の私たちが独自で企画した本も、当然社内で了承を得て、原価計算をした上で『これで行ける』と判断された企画です。それが結果として赤字だったのは、私たちが反省すべきなのは当然ですが、だからといって一方的に私たち4人だけが責任を負って、しわ寄せで辞めさせられるのは、全然納得がいかないですし、その後、さらに一方的に解雇撤回されて、配置転換だということで、自分のキャリアとは全然違う部署に異動させるというやり方は、まったく納得いかないですよね」

とりあえず、言いたいことはだいたいここで言ってやりました。

会長「納得いかないんだったらさ、辞められたらいいんじゃないですか」。会長は、こちらの言っていることが正しかろうが、言いがかりだろうが、とにかく辞めさせたい一心だったのです。