見通しがついてきたかな??

理由書に警戒心ゼロ

3日の金曜日に受け取った理由書には、「書籍編集部の赤字は○○○○万円にも及び、このままでは会社の経営が立ち行かなくなるため、書籍編集部を3/20をもって解散し、それに伴い貴方を解雇します」というようなことが書かれていました。カリスマさんは「警戒心ゼロだね。これで本当に弁護士に相談したわけ?」と余裕綽々でした。

その夜、カリスマさんからラインで「緊急!」と号令がかかりました。実は、会社のカラオケ雑誌の編集部員で、今回の私たちの解雇とはまったく関係なく、社員が1人自己都合で辞めることになり、そのため、どうやらハローワークに募集を出すらしいことがわかりました。このあたりの情報網のすごさにはいつも感心させられます。弟弁護士さんから「4人の社員を解雇しておいて、別の部門で新たな社員の募集をかけていたら、それは違法行為だ」と指摘があり、「ハローワークの募集を見つけたら、すぐにスクショ!」との通達がされましたw

違法行為の証拠をつかんだぞ!

翌日の4日の朝9時すぎに、おっちょこちょいな人から「ハローワークの募集見つけましたよ」とラインが入り、すぐにスクショも流れてきました。本当にIT化時代は恐ろしいものです。あっという間に情報が発見され、みんなのところへ一斉に、瞬時に流れてきます。私も早速スクショして、プリントアウトもしておきました。これで、このあとに労働局にあっせんを依頼したり、裁判で争うことになった時には、今回の解雇が不当であることの証拠になります。

その週末は、先の見通しもついたような感じで、久々にぐっすりと寝て、5日の日曜日には、家族で越生の梅園を見に行ってのんびりと過ごしました。

今度こそ最後の出社になるのか

有休のはずなのに出社w

さて、理由書がもらえると言われていた3/3は、皆それぞれに書類を作成して、朝から出社していました。情報によると、前日に会長が弁護士に相談に行ったということで、これはなんらかの書類が出るのだろうと思われました。

当初は午前中のうちにみんなで会長に詰め寄ろうと話していましたが、どうやら「ただいま準備中」とのことで、仕事があるカリスマさんとおっちょこちょいな人は会社に残り、子持ちママさんと私はお昼に出てしまいました。

すると、ちょうどその間に会長から理由書が手渡され、会社に残った2人は受け取ることができ、ラインで「受け取ったよ~」と流してくれました。お昼に出てしまっていた私たちもお会計をして戻りましたが、残念なことに会長がお昼に出た直後でした。しかたなく、データがほとんど入っていないパソコンで、いろいろな本の売上げをみたり、ネットニュースを見たりして1時間つぶし、会長が戻ってきたところですかさず声をかけて受け取ることができました。

理由書を受け取る際に会長が「ちょっといいかな」というので、1つしかない小さな打ち合わせ室に行きました。会長から「この後は(4月以降、委託業務として)続けられない?」と聞かれたので、「あの条件ではお受けできないです」と答えました。続いて「今後はこのまま休まれる(有休消化)のかな?」と聞かれたので、「はい、いろいろやることがありますので」と答えました。ここで「転職活動がありますので」といってしまうと、会社の不当解雇を認めてしまうことになるのかと思い、「いろいろ」と言ってみました。会長は「まあ、必要だろうからね」と返してきました。

そもそも、私が提出してある有給休暇の申請は、すでに会社基準を突破しているのですが、そのようなことはまったく気にしていないようで、もしかしたら編集局長さん-経理の人で結託して、そのような状態であることを会長に報告してないのかもしれません。まあ、会社基準を突破していようが、法定の日数内なので問題ないのですが・・・・。

最後に会長から「どうも長い間お世話になりました」といわれましたが、こちらも「お世話になりました」と返してしまうと、これまた不当解雇を認めてしまうことになるのかと思い、「それほど長くありませんでしたけれど」と答えました。この1つしかない打合せ室で、4年前にこの会社に採用が決まったときに、会長から労働条件について説明されたことを思い出しました。社保完でなかったのはビックリしたけれどw でも希望に満ちていました。同じシチュエーションなのに、あの時と今ではこんなに違うものなのかと、半ばあきれてしまいました。打ち合わせ室を後にするときには、「私がこの打合せ室に入るのも、このおじいさんの顔を見るのも今日で最後だな」とたいした感慨もなく思い、理由書を受け取ったので、すぐに帰路につきました。

子持ちママさんの交渉

私が会社を出るときに、子持ちママさんが理由書を受け取るために打ち合わせ室に入っていきました。子持ちママさんは、理由書を受け取るついでに、なんとか40日ほどある有休を使わせてもらって、退職の日付を4月末にしてもらえないか?という交渉をしたいのだと、その前のランチのときに話していました。普通の会社だったら、それぐらいOKが出てもいいものです。

ところが会長は話がわからず(わからないふりかもしれませんが)、4月も来たいなら来てもらって、仕事があるからやってもらいたい。それで4月末の退社日でどうか?と言ってきたのです。子持ちママさんとしては、3月で解雇になるのを見越して、4月からちょっとした学校に通うことを決めていました。すでに申し込みをして料金を支払っているため、4月末までは保育園や社会保険のためにも社員の状態であることが必要でしたが、会社にはなるべく出社しないで済むようにしたいと思っていたのです。ところが、会長に有休を使わせる気は毛頭ないようで、子持ちママさんが「有休を使わせてもらいたい」と再度お願いしたところ、「お金の問題なので、弁護士に相談しないと返事ができない」ということで、保留になってしまったようでした。

私自身も、有休消化はしていましたが、3/20退社ならば7日ほど残ってしまいそうでした。ただ、私がもう一つ前の会社から今の会社に移ってくるときには、相当な日数の有給休暇が残っていたにも関わらず、2~3日しか消化する暇がなく、大半を残したまま辞めてきてしまっていたので、それに比べたら「今回はこんなに休めてよかったわ~」ぐらいに思っていて、もう残りの有休は諦めるつもりでいました。

引き続き、理由書を求めるための準備

なんと他にも仲間がいた!

実は、このゴタゴタがあった最初の週末に、おっちょこちょいな人と書店営業のOさんが、書店でのイベントのために休日出勤をして立ち会っていました。そのときに、ふと「書籍もいろいろ大変なんですよ」とおっちょこちょいな人がこぼしたところ、Oさんも「実は・・・・・・」と重い口を開きはじめました。実は、私たちが解雇を通告されるよりも2週間ほど前に、Oさんも会長から「書店営業の仕事を委託業務としてやってもらえないか」と打診されたそうです。Oさんはもともと、会長からヘッドハンティングの形でこの会社にやってきたので、「それは話が違うでしょう」と突っぱねたそうです。解雇を突っぱねることはできたようですが、それからはかなり無茶なノルマを課され、しかもそれを毎朝手書きで表に書き入れて報告しなくてはならず、書店営業でベテランのOさんも、さすがに鬱憤が溜まっているとのことでした。

私は有休消化に入ってしまったので行きませんでしたが、他のメンバー3人とそのOさんとで、会社から少しはなれたお店でランチをし、そこでOさんと書籍編集部で「○○ユニオン」という名のライングループを作ったというので、私もすぐに招待してもらって、そちらにも入りました。

ただ、Oさんはまだ解雇通告されておらず、すでに某ユニオンに相談に行っており、「これからみんなで結託して、このブラック出版社をもっといい会社にしよう!エイエイオー(*`∧´)/」という感じだったのですが、こちらはすでに解雇通告されている身で、今さら「会社を良くしよう」といっている場合ではありませんでした。なので、少し距離を置きつつ、最低限の情報共有をしようということで、ライン上でのみ会話をしていました。

解雇理由書を求めるための書面を作る

さて、解雇理由書を3/3(金)にもらえるらしい、という情報がもたらされましたが、会長は一向に弁護士に相談に行く気配が見えず、「まさかこのまま理由書を出さないつもりでは?」という疑念がみんなの頭に湧いてきました。そこで、解雇理由書を求めるための書面をそれぞれに準備しておいて、当日に理由書が出てこなかったら、他の社員の面前で「理由書を求める書面」を会長につきつけよう、ということになりました。

解雇理由書の書面も検索すれば色々出てくるのですが、ここのページを参考にして、あとはカリスマさんの弟弁護士さんに文面をチェックしてもらって決定しました。しかし、先ほどのリンク先を下まで見ていくと、1度請求しただけでは出てこないことがあるので、再度求める場合に使う書面や、理由書が出てきたものの、まったく理由が書かれていないため、きちんと理由を書くように求める書面もあり、「世の中の腹黒い社長というのは、いくらいっても理由書を出してこないものなんだな」と認識しました。

なんとか無事に書面を作ってから、弟弁護士さんの添削を受け、会社へ行って手渡すと同時に、郵便局から「簡易書留」で出すようにと指示されました。私の中では、こうした書面は「内容証明」で送るものと思っており、「どうやって送るのかな?」と軽い気持で調べてみたところ、思った以上にめんどくさい工程のように思ってしまい、「ちょっとなー」と若干引きました。ところが、おっちょこちょいな人が以前に高額エステの勧誘に引っかかって、うっかり申し込んでしまったときに、その申し込みをクーリングオフするために内容証明を送ったことがあるというのです。そんなドジもたまには踏んでみると、いい経験ができるものなのですねW

「それなら内容証明はよろしく~」といっていたのですが、弟弁護士さんによると、簡易書留でも問題ないということでした。先ほどのサイトには「配達証明でもOK」と書かれていました。とにかく出した日付がはっきりしていて、相手が確実に受け取ったかどうかをチェックできる方法で送る、ということなのかと思いました。

さて、こうしてすったもんだして作り上げた「理由書を求める書面」を、会長に突きつけることなく、私たちはきちんとした理由書を受け取ることができるのでしょうか??

 

 

 

 

理由書をもらうのがまずは第一関門

解雇通告で体調不良

2/20の口頭での解雇通告を受けてからの一週間は、精神的にも体調的にも不安定で、微熱が引いたと思っても、会社にいると寒気がして具合が悪くなり、早退して熱を測ると37.8度といった微熱が再び出ていて、寝込んだりしました。1日おきに眠れない日があったり、24日の金曜日は子どものアレルギーのことで予め休むつもりで有休をとったのですが、三連休明けの月曜日は会社に行くのにいろいろ考えてしまって、前日の日曜日の夜はやはり眠れずに、3時間ほどの睡眠しか取れなかったりしました。

とはいえ、このころになると、「明日からどうしよう」という不安よりも、「法定の有給休暇の申請を出して、会長が文句言ってきたらどうしよう。頭にきて怒鳴りつけたりしてしまいそうだわ」「私が突き飛ばしたら会長なんか吹っ飛んでいってしまうし、なによりも74歳のおじいさんなんだから、突き飛ばしたらまずいよね」などと考え、頭の中でいろいろな想定問答を繰り広げてしまい、眠れなくなるという感じでした(笑)

この会社に来て、体調不良で会社を休んだことは1度もなかったのですが、やはり「病は気から」というのか、気持が弱まっていると(一応w)、ただの風邪もなかなか治らないものです。

会社に来るのもあと2日?!

とはいえ、3/1から有休となると、週明けに会社に行くのは2/27,28の2日間だけです。私物はあらかた片付いてはいましたが、持ち帰るものはかなり多く、パソコン内のデータもDVDなどに焼いて、ハードディスクの中をほぼ空にしました。もちろんメールのバックアップも取って、持参したUSBメモリに入れて、パソコンのメールボックスも空にしました。「解雇なんだから引継ぎする気もない。これまで3年間継続してきた書籍も、来年にやるときは大変かもね~w うんと困ればいいわ!」という気持だったので、とにかく会社のパソコンは空にしてやりました(笑)

また、弟弁護士から知恵を授けられたカリスマさんが、「とにかく解雇理由書をもらわなければ」と、口頭での通告があった翌日には、会長に「理由書下さい」と言ってくれていたので、それをちゃんと受け取るのが当面の課題でした。私が寝込んでいる間に(実際は寝込めなかったですがw)しっかりと手順を踏んでくれていて、カリスマさんは本当にとても頼もしいです。

この「解雇理由書」というのをもらうことは、会社から解雇になった際にはとっても大事なものだそうで、会社はこれを請求されたら、拒むことはできません。そういうことに聡い経営者だったら、解雇通告した社員がこれを請求してきたら、「訴えられちゃうかも」とビビって、のらりくらりと交わそうとしたり、なかなか出してこなかったりすることもあるようです。出てこなければ、なんども請求書の書面を突きつけ、それでも出てこなければ、労基署に訴え出て行政指導してもらうことになるようです。

うちの会長の場合は、カリスマさん曰く「もう言ってきたか!」という感じで、とたんに機嫌が悪くなったそうですw 「今週末(口頭通告のあった週)か来週頭にはください」と言ってあったそうですが、週明けになっても出てこないままで、3/1から休みに入る私は「少なくともあと1回は、解雇理由書を取りに会社に来なくてはならないな」と思いました。

これがきっかけでラインを始める(笑)

それから、私はラインをやっていなかったのですが、メンバー4人のうち、3人はラインで連絡を取っているというので、今回のことは一堂に会して連絡を取った方がいいだろうと思い、私も週末にラインアプリをダウンロードして登録しました。月曜日には、おっちょこちょいな人に招待してもらってライングループに入れてもらい、遅まきながら私のライン生活が始まりましたw 「ラインて、メールとなにが違うの?メールだってグループメールできるよね」と思っていた私ですが、始めてみてなるほどと思ったのは、やはりラインの魅力はスタンプの豊富さ、面白さなんですね。「いや、そんなところじゃない」という意見もあるかもしれませんが、私はそう思いました(笑)あと、早速フジテレビのフィギュアスケートのラインもフォロー(?)しました。3月末には世界選手権がありますからね(ゝ∀・)

書籍編集部 最後のランチ会?!

私が3/1から有休消化に入って、そのままフェードアウトすると言っていたので、「じゃあ、書籍編集部の最後ってことでランチ会しますか!」となり、最終日の28日はメンバー4人で長めのランチを取りました。みんなそれぞれ解雇通告をショックに思っていました。

子持ちママの人は、子どもの保育園のために、とにかく失業保険を使わずになんとか退社日付を4月末~5月に伸ばしてもらう方向を模索していました。11年も勤めている子持ちママさんには、本来なら法定の有給休暇が40日もあります。不当解雇なのにこの有休を使うこともできず、3/20で切られてしまうというのは、どうにも納得がいかないのです。このことを考えると、やはり夜もあまり眠れず、ご飯もたくさん食べる気になれない様子でした。

おっちょこちょいな人も、おっちょこちょいだけれど気持ちがとても優しい人で、たいそう困りきっていました。口頭で通告された日の翌日には1人でワインを1本開けてしまったといいます。朝も、夜中の3時とかに目が覚めてしまい、「あれ?なんだっけ?あ、そうだ、私は解雇されちゃったんだ・・・・・・」と現実を確認して眠れなくなる始末。

カリスマさんだけはちょっと様子が違います。なんといっても弟が弁護士さんですから、「会社からカネを取れるだけとってやろう。次はどんな文書を会長に突きつければいいの?!」と息巻いていました。「次はどんなことをやれば会長をギャフンと言わせられるか、次々と畳み掛けたいから、常に策を練っている」とのことで、本当に「会長もカリスマさんだけは怒らせないほうがよかったのにね|||(゚ー゚;Aシラネーゾ」と思うほど怖いです(笑)

 

専門家に話を聞いてもらう

法定の有給休暇はちゃんと取る

労働局に行くと、あちこちに「あっせん」と書かれていますが、「なにをあっせんするんだろう」と私は呑気に眺めていました。それぐらい、私には労働争議など馴染みがなかったのです。それに、カリスマさんの弟が弁護士ということで、自分たちの解雇問題は、その弟さんか、または「解雇」で検索すれば山ほどヒットする労働問題を扱う弁護士さんにお願いするものと思っていました。

労働局の担当者Tさんは、まずは「法定の有給休暇は取ってください」といいました。「その上でもし会社が『会社の規定以上に取った有休分の賃金は払いません』と言ってきたら、それはすぐに労基署に訴え出てください」とのことでした。そこで、私には私物の片付けぐらいしか残務がないので、なる早で荷物を片付けて、チーフ会議(毎月1日にある会議で、チーフなので出ていた)のある3/1から強引に有休を取り始めようと決めました。なぜなら、そのチーフ会議で「書籍編集部の解散」を発表するだろう、と編集局長さんが言っていたからです。解雇になるのに、今さら書籍編集部の実績をチェックしても仕方がないですし、なんの悪いこともしていないのに、目の前で「書籍編集部は不採算事業なので廃止します」と言われても困ります。編集局長さんも「出なくていいんじゃない」というので、出ないことにしました。

社会保険に入ってもブラック

そして、Tさんから「その会社は社会保険とかちゃんとやっているの?」と聞かれ、「それがw!」とちょっと笑ってしまいました。もともと社保完でなかったことはもちろんですが、実は2014年1月から強制加入となった際に、保険料は社員と会社の折半となるわけですが、会社がこの折半分を負担すると、今までに比べて年間1500万円ほどの支出となり、その額すべてを会社が負担することはできないので、メールで「社員の給料から一律3%ずつ天引きします」という通達が来ていたのです。そのメールでは「1年間の限定措置」となっていたのですが、そのまま天引きは続き、すでに4年目に入りました。給料によりますが、だいたい毎月7千円から1万円の額をさらに会社の社保折半分のために引かれていたのです。この話にはTさんもビックリ!「それは違法でしょ。犯罪じゃないかな」とたいそう驚いていました。この社保の保険料のことについては、年金事務所に訴え出るようにとのことでした。まあとにかく、何かにつけて縦割りです。

じゃあ労働局はなにするの

今回の問題は弁護士にお願いするものと思っていた私ですが、ここにきてTさんから「労働局にはあっせんというものがあって」という説明を受けました。「あっせん」こそが労働局のメイン業務だったんですね・・・・。ネットで検索すると「労働関係調整法による労働争議の解決方法の一。労働委員会が指名した斡旋員が労使間を取りなして、争議の解決を図ること」と出てきます。要するに、弁護士などの資格をもつ斡旋員が、経営者と労働者を呼び出し、それぞれから交互に話を聞いて、労働に関する紛争をとりなしてくれるということのようです。たとえば、今回のような不当解雇に対して「金銭的補償を受けて解決したい」とあっせんを依頼すると、斡旋員が経営者に金銭の支払いをするよう説得してくれるということでした。ただ、強制力があまりないため、あっせんで実際に金銭が支払われる割合は、6割ほどということでした。このあっせんを試してダメだったら、そこで弁護士を頼む、という流れもあることもそこで知りました。弁護士に依頼した後では、あっせんを依頼することはできないということも付け加えて説明されました。

とりあえず、労働局に相談したことによって、「自分はやっぱり悪くないんだ」「補償金を求めることもできるんだ」ということがわかりましたし、なんとなく今後の流れというものも見えた気がして、なんだかその日はとてもホッとして、夜もよく眠ることができました。

まずはどこかに相談だ!

とりあえず片付けようということで

前日の睡眠が3時間しかなかったため、さすがに休んだ日の夜は普通に7時間は眠れました。私には途中になっている仕事がなかったので、とりあえずはデスク周りの私物やパソコンの中のデータなどを片付けようと思い、会社へ向かいました。まだ咳や鼻水がバンバン出ていたので、マスクをかけていきましたが、これは幸いでした。全然悲しくはないのですが、誰かになにか聞かれても答えるのが面倒だし、あまり表情を読み取られたくないという気持もあり、マスクをかけていると、その辺があいまいになると思ったからです。

でも、まだ他の部署の社員には知らされていないようでした。みんながことさら呑気にしているように見えます。なにごともなく平和に時間だけが過ぎていくので、私も粛々と片づけを進めました。しかし、解雇を告げられた書籍編集部の面々は、やはりどこかフワフワとして落ち着かないようでした。私以外のメンバーには、やりかかっていた企画があったので、まずは著者に現状を話して、このままこの出版社で著書を出すことにするのか、判断を求めなくてはいけません。午後には書籍編集部には誰もいなくなり、私も1日中片づけをしているのは飽きたので、合間合間に調べていた労働局というところへ「軽く相談に行ってみよう」と思い立ち、外出ということにして会社を出ました。

就業規則はないし、有給休暇の日数はめちゃくちゃ

労働局の労働相談コーナーは、都内にはあちこちにあるのですが、幸いにも会社から徒歩10分ほどのところにもありました。よく利用していた図書館と同じ建物の中です。何の予約もなく、いきなり労働相談コーナーのところへ行って呼び鈴を押し、出てきた相談員のおじさんに、ブースで話を聞いてもらうことになりました。

実はこのブラック出版社には、労基署に届け出られるようなきちんとした就業規則がなく、有給休暇も独自の基準でやっていて、週5のフルタイムで仕事をしていたにも関わらず、法定の有給休暇でみると、パートの週2勤務の基準と同じ日数しか認められていませんでした。つまり、半年勤めると3日だけ与えられて、あとは4日、5日、6日と増えていき、この後はどんなに長く勤めても8日どまり(汗)。ただ、みんな土曜日や日曜日にも仕事が入ることが多く、大抵代休を取りきるのに精一杯で、有給休暇が少なくて困る人などいなかったのです。

私の場合は、チーフだということと、家と会社を往復しているだけで3時間ぐらいロスしてしまうので、土日に仕事をやらなくてはならないことがあっても、家でやってしまっており、あまり休日出勤を申請することがありませんでした。そのため、子どもの学校行事などで休む場合は普通に有給休暇を使っていたので、上記の会社独自の有休の残日数で見ると、たったの6.5日しか残っていませんでした。しかし、週5勤務の法定の有休日数に照らし合わせてみると実は21.5日もあり、ブラック出版社で認められていたのはわずか1/3!もちろん、有給休暇の日数は会社が勝手に決めてよいものではなく、法律によって決められている日数は、会社は最低限認めなくてはなりません。そこで、法定の有休をすべて取っていいんですよね?ということを確認したかったのです。

とにかく寝られない・・・・

結局は資金繰りがうまくいっていない

会長からの口頭での解雇通告のあった日の夕方、慌てふためいたメールをしてきた編集局長さんが出先から戻ってくるというので、会社近くの喫茶店で話を聞くことになりました。といっても、編集局長さんも「昨日いきなり会長から電話がかかってきて、もしかして会長が倒れたのか?と思った」ということで、今回のことはまったくの寝耳に水だった様子。

書籍編集部解散の理由が、解雇を言い渡される前の週に提出させられた「今期の目標が気に入らなかった」とか言ったようですが、そんなのは全部言いがかりで、結局は資金繰りがかなり厳しい状態であるとのこと。去年の9月に買い取った手芸雑誌の採算が取れず、書籍の売上げも低迷していた。さらに、12月でケンカ別れした雇われ社長と連名にしていた融資の期限が来てしまい、延期をお願いしに行ったが、ケンカ別れした元社長が拒否したため、資金繰りが悪化したとのこと。なんとも行き当たりばったり・・・・。

しかし、だからといって何の前触れもなく、たった1ヶ月で社員を4人も解雇していい話ではない。編集局長さんも、髪に寝癖がついたままの憔悴しきった様子で、「こんなことにならないようにと、評価制度などを準備してきたのに」とか「本当に私の力不足で申し訳ない」とか、ただただ謝るばかりで、まあ話を聞いてもしょうがないだろうなとは思っていたのですが、ほんとにどうしようもない感じでした。

なんだか腹が立ってしまって

その日のうちに、ケチをつけられた「今期の目標」とか、実績をまとめた一覧表などのプリントアウトは粉々にして捨てました(データはあるw)。「ほんとうにバカバカしい!」「なんてバカバカしい!」「バッカじゃないの!!」と何度か声に出していってみたりもしましたが、腹立たしい気持がおさまらない。風邪の微熱を押して会社に行っていたので、翌日は「寝込みます」ということで病欠としてあったけれども、一応寝ようとベッドに入っても、目が冴えてしまってまったく眠れない。

ツイッターフィギュアスケートの情報を追って束の間の憂さを晴らしたり、みんなの日常を追ってクスリとしたり、いろいろ気晴らししてみるものの、やっぱり「明日からどうしようか」という懸念が消えません。

久々に転職サイトを覗いてみたりして、「正社員にこだわらなければ仕事は結構あるな」と自分の不安をなだめようとしたり、ホットミルクを飲んだり、インスタントのコーンスープを飲んだり、お腹に温かいものを入れて、いろいろと気を逸らそうとしてみましたが、結局は朝の6時過ぎまで眠れませんでした。

幸いなことに、子どもも次の日まではインフルエンザのために出席停止だったため、9時ごろまで3時間弱寝ることができましたが、風邪を治すために寝込むつもりが、日中もまったく横になる気が起こらず、自分の部屋の机周りを片付けたりして終わりました。