ちなみに最後の反論メールはこんな感じでした

株式会社○○○○○○○

代表取締役 ○○○○ 様

 

本日、平成29年3月16日付の辞令を受け取りましたが、このたびの一方的な解雇通告、解雇撤回、営業局販売部への配置転換命令の辞令のすべてについて、承服できません。

平成29年2月20日付での解雇の際、整理解雇をするにあたって必要な4つの要件を満たしておらず、また解雇通告をしておきながら、新たに人員募集をするといった矛盾行為を行なうなど、解雇にあたっての客観的合理性や社会通念上の相当性を欠いておりました。貴社も違法であることに気がつかれて、平成29年3月13日に解雇を撤回されたものと推量いたしますが、以下に、私がこれらを承服できない理由と、お尋ねしたいことを記します。

まずは一方的な解雇通告と解雇撤回について、いまだ、書籍編集部4名が解雇にいたることになった前期の損失、約??00万円についての、経営の開示、財務諸表の開示がされておりません。また、これらが開示されていないにも関わらず解雇撤回となりましたが、約??00万円の損失について、どのように補填し、今後の経営・財務状況を改善されるおつもりなのかがまったく分かりません。このままでは、会社がいつまで存続するのかと大変不安になります。

今回の解雇撤回となるような解雇回避の努力をどのようにされたのか、ぜひ教えていただきたいと思います。ご存知とは思いますが、解雇回避努力とは、新規事業からの撤退、資産の売却、役員報酬のカット、新たな融資の取り付けなどが一般的に行なわれるものと思われます。これらの解雇回避努力について、平成29年2月20日の解雇通告から平成29年3月13日までの解雇撤回の間になされたことについて、具体的な資料によってご説明いただき、社員を安心させていただきたいと思います。

また、本日受け取りました辞令について質問がございます。平成29年3月20日より営業局販売部への転属とのことですが、私が入社しました平成25年4月2日の時点では、それまでの8年間の雑誌・書籍編集のキャリアを認めてくださり、書籍編集部へ配属する社員として採用されました。また、それを受けて、これまで約4年間にわたって書籍編集の業務につとめてまいりました。このような入社経緯とこれまでの書籍編集の仕事内容と照らして、平成29年3月20日付けで営業局販売部への配置転換命令は、なんのご説明もないままでは納得できかねます。ちなみに、ご存知かとは思いますが、法的には、キャリアや入社の際の説明と経緯などに照らして、合理性を欠く配置転換命令は、権利濫用として無効となりますことを申し添えます。

また、現在の書籍編集部人員の大半が営業局販売部に転属となるようですが、営業局販売部にそれほどの人員が必要になるような、人員の欠如、または新たなプロジェクトなどがあるのでしょうか。このあたりもぜひご説明いただきたく思います。販売部が忙しくなるのは、会社の利益が増す話だと思いますので、前向きなお話を聞くことができれば、私も営業局販売部への転属について、前向きに考えられるかもしれません。

そして、営業局販売部に転属となります場合の詳細な労働条件の提示もお願いいたします。私が知りたい労働条件とは、就業の場所及び従業すべき業務、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く)、賃金の計算の方法についてです。これらの労働条件を書面にてご提示いただきたいと思います。万が一にも今回の辞令が減給を伴う異動命令であり、その減給の金額が大きい場合には、労働者に対する不利益が大きすぎるとして、異動命令が違法となる可能性があることを申し添えます。

最後に、以上の理由により、このたびの解雇通告、解雇撤回、及び配置転換命令は、直ちに有効とは言えない状態であることをご理解いただき、上記の質問事項に対して、平成29年3月20日までにご回答いただきたいと思います。

何卒よろしくお願いいたします。

 

平成29年3月17日

○○○○○

最後の反論メール

かつて、こんなに推敲を重ねたことがあっただろうか

私はというと、お昼前からパソコンに向かって、せっせと「解雇、解雇撤回、配置転換に承服できないメール」を打ち込んでいました。全体の流れはカリスマさんの草案に沿いつつも、丁寧に、承服できない理由やその法的根拠、どういうことを答えてもらいたいのか、具体的な例を挙げたり、説明によっては「配置転換にも納得はするよ?」という姿勢も盛り込んでみました。

私が懸命にメールを打っている間にも、子どもが学校から帰ってきてしまい、「お昼に高級ハンバーガーを食べに行こう!」などと盛り上がっています。これだから、家に家族がいると、どうも締まりません。できれば、会長が昼休み(だいたい13~14時ごろ)から戻った時にはメールを届けておきたいところですが、それにはちょっと間に合いそうにありません。

パソコンで打っていたメールを今度はスマホに移し、車の中でもひたすら読み返して、抜けている部分や隙がないかをチェックします。高級ハンバーガーを食べている間もそんな調子で、ハンバーガーをなんとか口に押し込むのが精一杯。とてもじゃないけれど、味わっている余裕はありません。ダンナに「ハンバーガーを食べろよ」とからかい半分にいわれると、「お父さんは、お母さんが今回のことで不利になってもいいわけ?!」とマジ切れする始末。それぐらい苛立っていました。

今日は解雇予告日前の最後の平日で、しかも金曜日。金曜日は会長が出かけたついでにそのまま会社に戻らないことも多いため、「一刻も早くメールを送らなくては!」と焦ります。そんな私の焦りなどまったく意に介さないダンナは、ハンバーガー屋の後も自分の用事を済ませるために2件ほど立ち寄った挙句に、ようやく午後2時半過ぎに家に戻ることができました。再びスマホから自宅のパソコンにメール文を移し、大きな画面で最後の推敲をします。もう何回読み返したかわかりませんし、こんなに長いメールを出すのは初めてです。ワードのデフォルトの文字数でA4用紙にびっしりと2ページ弱ありました。

3時間を費やしたメールへの返事は・・・

さて、間もなく午後3時というころになって、やっと自分のメール文に納得がいき、早速送ろうと思いました。しかし、会長がちゃんとこのメールを今日のうちに見るのかどうか、ふと不安になります。以前に個人個人で会長宛に出した「今回の解雇に承服できないメール」の時に、子持ちママさんがメールした後に電話をして「メールはご覧になりましたか?」と会長に尋ねると、「まだ見ていない」という返事が返ってきたということがあったので、「そんなごまかしをするかも」と不安になります。するとダンナが「開封確認をつければいいんじゃない?」と言ってきました。「そうか、開封確認があったね」と私もすぐに開封確認の付け方を調べました。

しかし、なんだかテンパっている時というのは、普段やりつけない手順をすっ飛ばしてしまうものです。気がついたら、開封確認をつけずに、普通にメールを送ってしまっていました。「あらら」と気がついて、今度は開封確認をつけ、さらに中のメール文にも「先ほどは開封確認を付け忘れたため、念のため、再度同じメールをお送りします」と文章を追加して送りました。

すると、開封確認のメールではなく、会長から1回目のメールに対して返事がありました。タイムスタンプは1回目のメールが送信された5分後です。内容はこうでした。

「○○です。

辞令以外には何も申し上げることがありません。」

こちらが3時間を費やして練り上げたメールにこの誠意のない返信。これは本当に腹が立ちました。もちろん全部に完璧に答えるのは不可能なのは分かっています。しかし、答えられる範囲で答えて欲しかった。メールで答えられないのならば、土曜でも日曜でも、こちらが会社に出向いてでも説明をしてもらえたなら、それでも良いと思っていたのです。しかし、会長はこちらに対して真面目に対応する気はまったくないようでした。

まずはカリスマさん渾身のメール草案

会長からのメールはまだかと待ち構える私のところに、まずは練り直されたカリスマさんのメール草案がラインで到着しました。

内容としては→辞令と今回の一連の流れに承服できないこと・解雇の4要件を満たさずに解雇しておきながら、一方ハローワークで人員を募集するという違法行為をしていること・辞令について、自分のキャリアから見て、なぜ4/21より営業局販売部へ転属なのか?また希望配属先について、話し合いの場を持たせてもらっていないこと・解雇通知の際も手芸雑誌編集についての業務委託契約書を用意するといいながら、一向に提示がなかったこと、3/20で書籍編集部解散のはずが、4/20までは書籍編集部の仕事をするとはどういうことか?そして、それ以降は編集部の作業ができないのはなぜか?・4/20までに手芸雑誌の編集業務を「遅滞なく」としているが、約束はできかねること・これまで手芸関連の編集者として採用されて仕事をしてきているのに、今回のような合理性を欠く配置転換は権利濫用であること、自分のキャリアにそった配置転換案を再度提示すること・営業局へ異動の場合の労働条件も提示すること・4名の解雇撤回をしても、会社の運営や資金繰りが大丈夫であることを説明すること・・・・・これらに3/22までにご回答下さい、というような内容でした。

私が気になったのは、回答期限が3/22であることです。カリスマさんは21日を有休にしているから22日にしたのでしょうが、これでは異動した後になってしまう気がします。私としては、回答期限はむしろ今日中、17日のうちに送るよう請求してもいいのではと思ってしまいます。たしか労働局の女性担当者も、解雇撤回に同意できない意志は3/20までに示した方がいいといっていました。でも落ち着いて考えると、こちらの同意できない意志は3/20よりは前に示しているわけなので、相手の回答期限は20日を過ぎてもいいような気もしてきます・・・・・・だんだんと混乱してきました( ̄ω ̄;)

そのような意見を送ると、カリスマさんは「3/22だと解雇のままか、でも解雇も解雇撤回も有効じゃない状態だからなあ」と返してきました。解雇でも解雇撤回でもなく、営業局への配置転換も有効ではないと・・・・それはいったいどういう状態なのか?わたしには、とってもニュートラルな状態が思い浮かんでしまいました。そんな会話を見ていた、おっちょこちょいな人から「解雇でも解雇撤回でもなく、営業局でもないなら、元の通り書籍編集部の社員なんじゃないですか~」などと、ちょっとお花畑な回答が戻ってきます。カリスマさんは、すぐに弟弁護士と某ユニオンの叔父様に確認を取るべく、質問を投げかけておいてくれました。

カリスマさんから「文章に暴走感はないよね?」と質問が来ました。暴走感はありませんが、普段のカリスマさんと同一人物とは思えないような文章だったので、「別人のようです。逆に怖いぐらい丁寧です」とコメントすると、桃のような頭の、赤ちゃんだか老人だか分からない顔の人が、口をへの字に曲げて不服そうな表情をしているスタンプが送られてきましたw

私がこんなやり取りをしながら、パソコンの前でメールを待っていると、ダンナが自転車のカゴを買ってやるから、買い物に行こうと言い出しました。まったく人の気も知らないで呑気なものです。でもまあスマホでも、会社のメールやパソコン用の自分のメールを受け取れるようになっていたので、スマホを持って渋々出かけました。買い物を終わって車で家に戻っている途中に、会社のメール宛に辞令が来ていることに気づき、すぐにラインで情報を流しました。配置転換先はもちろん「営業局販売部」です。

以前に一度、自分のパソコン用メールから、会長宛に「この解雇に承服できない」というメールを出していたので、そちらに辞令が来ると思っていたのですが、会社の方のアドレスにメールが来ました。休んでいることを知りながら、わざと会社の方に送ったのでしょうか??いや、そこは深く考えていない気もします。辞令メールを待つ子持ちママさんにも「会社のメールをチェックしてみた方がいいですよ」と伝えると、すぐに「やっぱり来てました!営業局販売部でした」とのことでした。おっちょこちょいな人も、先日カラオケ雑誌への配置転換を断りましたから、自動的に彼女も「営業局販売部」でしょう。

これまで男性2人(外勤)、女性2人(内勤)だった営業局販売部に、一気に女性が4人増えることになります。現状の社内での座席を思い浮かべても、1人分の空席はありますが、残り3人の座る場所はありません。その販売部を一気に倍の人数にして、一体どうするつもりなのでしょう?w 思わず、女性社員が一気に増えて、騒々しくなった販売部を想像しますw カリスマさんも「みんな営業って辞令もウケるよね。婦人営業で『行ってまいりまーす』って、みんなで書店営業に出かけていくところを想像したら、おかしくなったよー」と言っています。まるで保険の外交員のようです。会長の、あまりにその場しのぎの対応がおかしくて、状況が面白すぎて、私自身の反論メールがなかなか進みませんw

そうこうしている間に、お昼前には弟弁護士さんからの訂正が入り、やはり回答期限は3/20までということが分かりました。回答期限もはっきりしたところで、再びメールに取り組みます。私としては、あの会社で書籍編集の仕事をすることには、まったく未練がありませんでした。この1ヶ月弱であまりにシラケてしまいました。でも、もし本当に会社を立て直すのに、私たちを編集から営業に回すことが、得策だと会長が考えているのならば、少しの間ぐらいはそれに乗っかってみてもいいかもしれないと思いました。しかし、給料を極端に下げられては困るので、そのあたりは私のメールの中で釘を刺しておこうと思いました。

当初の解雇予定日まであと4日

すぐに反撃のメール草案を考える

カリスマさんが強引に辞令を渡された日には、子持ちママさんと私には辞令のメールは来ませんでした。もともとの解雇の日付は3/20。解雇撤回にも同意できないのならば(労働局には、この場合は筋が通らないと言われたけれど)、もともとの解雇日付の前に、同意できない旨の意思表示をする必要がありました。

その日の夜には、カリスマさんから「一方的な解雇・解雇撤回・配置転換のすべてに同意できない」という内容の、会長宛メールの草案がラインで送られてきました。すでに、弟弁護士からの今回の配置転換に対する見解も出ていて、「法的には、キャリアや入社の際の説明の経緯などに照らして、合理性を欠く配置転換命令は、権利濫用として無効です」ということでした。カリスマさんも、鼻息荒く「フシャー!!」と威嚇する、よく分からない生き物のスタンプを送ってきました。弁護士が無効だといっているのならば、私も「フシャー!!」と反論したい!むしろ反論する機会を得るために、早く変な配置転換案が来ないかな~と思っていました。

引き続き叔父様からもアドバイスメールが到着しました。辞令が来ただけで、何も聞かされていないのならば、メールで聞くのはOKということ(本当は文書がいいそうです)。注意点としては、「メールは顔が見えない分、言葉がキツくなりがちなので、感情的にならず、後で裁判になったときに、第三者が見ても説得力があるようにすること」・・・・先日の某ユニオンで、カリスマさんと私が歯噛みしているのを見て、注意点の1番最初にコレを入れてくださいましたσ(^_^;)

全体の流れはOK、ただ、理由の説明もなく「合理性を欠く」とか、「私には必要のないキャリア」とか書かないこと。その他に聞いておくといいこととして、「なぜ4/20までは雑誌編集で、それ以降は営業なのか」「営業の仕事とはどのようなものなのか」「営業の労働条件」、あとは「回答の期日を必ず入れるように」というアドバイスがありました。これを受けてカリスマさんも「暴走気味の私なので、温厚風に嫌味満載で送る!」とメール案の練り直しにかかったようでした。

だんだん目指す方向が分かれてきた

子持ちママさんは、辞令がくればそのまま受け、K文書を提出して有休消化で自己都合退社と流れは決まっていました。この流れは、おっちょこちょいな人と同じです。子持ちママさんは、お子さんの保育園の都合上、失業保険を受け取る気はないので、もとから「会社都合」でも「自己都合」でもどちらでもよかったのです。ただ「溜まりに溜まった有休を消化したい」それだけが主張でしたから、解雇が撤回されたのは彼女にとってはよかったのかもしれません。

一方の私は、とりあえず会長の好き勝手にされるのはどうしても納得いきません。一応同意できない旨を伝えたいと思っていました。翌日は金曜日で、元々設定されていた解雇日の20日は祝日です。そのため、会長に異議を唱えるなら、出社しているであろう明日金曜日の夕方までには、メールを送る必要がありそうです。翌日はダンナが仕事休みで、子どもは午前中で学校から帰ってきてしまう日ですが、とにかく朝からメールに注意して、一刻も早く同意できない旨を伝えなくては!と思っていました。

あわただしくなってきた

ちょっと長めの春休み

3/16となり、ここに来て解雇が撤回され、どうやら私の長めの春休みも終わろうとしていました。この休みに入ってからは、可能な時は、近所の川沿いにある遊歩道を2.5kmほど歩き、その先にある大きな公園でポケモンのジム戦をして(笑)、また歩いて戻ってくる、ということをしていました。もちろん歩きながらもポケモンをゲットして、ポケストップを回しまくりましたw このポケGOウォーキングの前に「甘酒豆乳」を飲み、帰ってきたら「やせる作りおきおかず」の本を見て作ったおかずを食べました。そんなこんなと心労などで、この1ヶ月ほどで体重が2キロ弱減りました〜〜。でももっと痩せないと誰も気づかないよー(笑)

強硬手段を取ってきたぞ

さて、16日は午前中におっちょこちょいな人が出社して、カラオケ雑誌への配置転換を断ってから午後はお出かけ、カリスマさんも仕事を片付けるために出社している予定の日でした。おっちょこちょいな人のカラオケ雑誌への配置転換辞退の方は、とてもすんなりと会長が「了解」と言ったそうです。まあ、そうなるだろうと予想していたのでしょう。

しかし、カリスマさんに対しては、全然違う戦法で来ました。なんと、パソコンに向かって仕事をしている背後から近づき、いきなり辞令を手渡すという卑怯さ加減!全然笑えません。もうここまでくると呆れてしまいます。今までこの会社で辞令なんて見たことないのに!しかも中身がもっと無茶苦茶でした。「4/20までは書籍編集部として手芸雑誌を遅滞なく進めること。4/20以降は営業局販売部へ転属を命ずる」というような内容でした。

もう、カリスマさんは怒り心頭です。手芸雑誌が遅れ気味になってしまったのは、会長がいつまでも手芸雑誌編集の業務委託契約書を作成しなかったせいです。3/20付けで解雇と言われている人間が、それ以降の契約をまったく提示されないまま、引き続き同じように仕事をすると思っているのでしょうか。手芸雑誌が遅滞しているのは会長のせいです。

また、カリスマさんと一緒に編集を進めていたはずの編集局長さんも、なんだかピントがずれています。タダでさえ手芸には疎い人なのですが、カリスマさんから指示された連絡や確認をなぜか全然取らず、時折カリスマさんが出社した時にそれを指摘すると、あわててやり出す始末。もともと別冊や書籍の発行日をズルズルと伸ばすタイプでしたが、ここでもだらしなさを露呈していました。そして、その自分のルーズさで遅れているのに、「カリスマさんが、会長からの契約書が来ないと手芸雑誌の編集をやらないといってます」ぐらいな感じで泣きついたのでしょう。今回のことでは、この編集局長さんにも失望しました。

カリスマさんは、「もう会社へは行かない!今日のうちに仕事をやれるだけやって、明日からはメールだけで会長とやりとりする!」と憤っています。私たちも、手芸書籍の編集一筋20年のカリスマさんを販売部へって、どういうことだ~~!!(#ノー_ー)ノ彡┻━┻ という気持ちでいっぱいです。カリスマさんはその後に編集局長さんとも話したようですが、「もし配置転換になるなら、みんなの希望も聞いておきたい~」と先日は言っていたそうですが、ただそう勝手に言っていただけで、やはり会長からはとくに配置転換については相談されておらず、他のメンバーにも「まずはメールで配置転換の辞令を出すらしい」という情報だけ得ることができました。

 

2回目の某ユニオンへ

おっちょこちょいな人にフライングで配置転換の話が来てしまったので、急遽、彼女とカリスマさんと私で、2回目の某ユニオンへ相談にいきました。今回はカリスマさんの叔父様と、現役でバリバリに出版社と闘っていらっしゃるTさんも同席してくださいました。

Tさんがメインで相談は進み、おっちょこちょいな人が一通り説明をしました。それを聴いた上で、まず「書籍編集部のことは4人のことなんだから、4人でいっしょに話を聞いたり行動したりすること」「そして、配置転換の話にしても、4人で相談させろといって、すぐに返事しないこと」というアドバイスをもらいました。この翌日にはカリスマさんが1人だけ出社するので、そこでまた会長がカリスマさんだけに配置転換の話を持ちかける可能性がありますが「お話は4人で聞きます、といってみますね」と確認しました。

しかし、もうおっちょこちょいな人は「とにかく明日は、カラオケ雑誌への配置転換を断ります。その次はみんなで話を聞いて、そのときに書店営業へ回されるでしょうから、それも断って、残務整理をして有休を消化して退社します」とのこと。そういうことであれば、彼女にとって某ユニオンはあまり意味がありませんが、有給休暇を取りきるために、同じ時期にカラオケ雑誌の編集部を辞めたKさんから、「退職願」「退職日 決定通知書」「別紙 有給休暇、代休、その他について」と題された3つの書類のフォーマット(私たちは「K文書」と呼んでいるw)をもらっているので、これらを使って、こちらで書類を作り、提出することで正当な有給休暇を取得することが間違った方法ではないのか、確認していました。そのあたりの確認は、ユニオンではなくて労基署のような気もしますが、もう、みんなどこに相談するのかが、ごちゃごちゃになっています。

そして、会長に噛み付きたくて仕方がないカリスマさんと私は、その話し合いのときにどれぐらいのことを会長に対して言っていいのか、確認をしました。まず、冷静に仕事や実績の数字について反論するのはいいでしょうと。ただ「もう会長は信頼できない」とか「労働条件通知書を出してもらえないと困ります」というような言い方はしてはいけない。少なくとも解雇ではなくなって、引き続き社員なんだから、社員として経営者に下からお願いする態度を取らなくてはならない、というようなことで釘を刺されました(^▽^;)前日の会長の言葉に「キーーー!」となっていたカリスマさんと私は「言っちゃダメなの?」とガックリしました(笑)

叔父様にも「なにが目的でそんなこと言おうとするの?」と、何の目的もない、単に自分の憤りをぶつけたいがために、交渉の場で相手を罵るのはダメだと諭されました。カリスマさんも私も苦虫をかみつぶしたような顔をしていたかもしれません。Tさんも笑いながら「とりあえず解雇はなくなったんだから、いい話なんだよ。まあ、そうカッカカッカしなさんな」となだめます。なるほど、戦士は冷静にならなくてはいけないんですね・・・・

どんな配置転換になるのか・・・・

某ユニオンを出て、3人でちょっとお茶をしながら話すことになり、3人でドトールに入りました。あの「最後のランチ会」と言っていた時から、書籍のメンバーで一体何回?作戦会議としてランチやお茶をしたかわかりません。書籍を作っている間は、基本1人1冊なので、個人商店のような感じでしたが、ここに来てチームワークを発揮するという皮肉なことにw

今日の話題としては、どんな配置転換になるのか?・・・・常々、会長はカリスマさんに「新しく買い取った手芸雑誌の進行管理を、今後も引き続きやってもらいたい」と言っていました。業務委託を打診してきたときも、カリスマさんには手芸雑誌をお願いしたいと言っていました。カリスマさん自身も、きちんとした業務委託契約書が出てくれば、引き受けてもいいと考えていたのに、会長が一向に契約書を出してこないので、とうとう怒ってしまって、現在は手芸雑誌の仕事をボイコットしている状態です。

カリスマさんは手芸の書籍編集一筋20年です。手芸の大御所先生もたくさん知っています。このカリスマさんが関わらなくては、手芸雑誌を続けていくことは不可能でしょう。それは本人も分かっていて、某ユニオンでも「私は手芸雑誌に回されると思う」と話していました。

この新しく買い取った手芸雑誌は、外部の編プロがメインで編集制作しているのですが、その制作費が1号あたり○百万円かかっており、書籍の制作費の3倍近いお金がかかっています。はっきりいって、この手芸雑誌を買い取ったせいで、この間の年末のボーナスは出ませんでした。その割りに年間購読者は右肩下がりに減り続けており、現状はこれも赤字です。そこで、外部の編プロを切って、編集制作を社内ですべて行なう可能性がありました。書籍をほとんど出さないなら、社内DTPだって手が空いてしまいますから、これが1番の方法に見えます。

そうすれば制作費は半分ぐらいに抑えられるかもしれません。その場合は、手芸雑誌編集にカリスマさん+1~2人必要だと思われます。そうなると、私たちは意外にも何人かは一緒に手芸雑誌に配属されるかもしれません。それであれば、合理的な配置転換ですし、私とカリスマさんは会長に詰め寄る必要はなくなります。「意外とそんな決着になるかもしれない」この日の夕方は、そんな雰囲気に包まれていました。

おっちょこちょいな人も「会長の言ったことには怒りで震えましたけれど、口調はぼやきみたいな感じで、そんなに激しくはなかったですよ」と言い出し、カリスマさんも「会長の『根』は、そんなに悪い人ではないと思うよ」と言い出し、私は「そうなのか???」と混乱しましたが、まあ確かにそんなにヒドイ配置転換案は出てこないかもしれない。そんなことをすれば、なにより会社のためにならないし・・・・と思い直したりしました。

しかし、そんな考えは甘かったのです。

 

本当に汚いやつかもしれない

3回目の労働局へ

翌日、再び労働局に行って、以前に相談したTさんにも、この3週間にあったことを報告しました。やはり、申し入れをしておいて、撤回されたことに同意できないというのは筋が通らない。パワハラはあった時に相談するしかない。パワハラがあるかもしれない、という状態では労基署もなにもできない、ということでした。

社保の会社折半分を給料から3%天引きについても、年金事務所での顛末を話しました。ただ、メールには「1年の期限付きで」とされていたのが、その後も2年間以上にわたって引き続き天引きされており、その2年間分を取り返したいのであれば、それは「あっせん」の事例にあることだ、と言われました。30万でも取り返せるのならありがたいことです。ただ、あっせんには法的な拘束力がないので、会社が支払わない可能性もかなりあります。

その場合は、簡易裁判所の書記官宛に支払い督促を申し立てるということでした。しかしそれでも、会社側が「1年経過した後も黙って天引きさせていたんだから、社員も了承してたのでしょう。だから支払うつもりはないです」と言ってくる可能性もあるといいます。そうなったら、約30万円をめぐって泥沼の争いです。弁護士費用の足は出てしまうし、もう意地で裁判をやっているものだということです・・・・( ̄_ ̄ i)タラー

やはり無償なだけあって、労働局にできることには限りがあります。それは仕方ないんだろうと思います。もう少しタチのいい経営者だったら・・・・とにかく、うちの会社の会長は、辞める人間にはビタ一文払いたくないのです。それは会社の都合で辞めてもらいたい人間に対してもそうです。とにかくこの小さな会社を、現在30歳の息子になんとか手渡したい。そんな魂胆が見えます。そんなドロドロしたことを考えている私に、Tさんは「でも、そんなに嫌がらせをしようってことでもないかもよ。みんながいなくなったら困ると思ったのかも」と言いましたが、会社にお金がないことに変わりはなく、そんなほのぼのとしたものなのだろうか?と思いました。

バラバラに配置転換の話を持ちかけてきた

労働局のあと、会社の近くまで行っていたので、その日たまたま残務を片付けに出社していた、おっちょこちょいな人とお茶をすることになりました。あまり会社の近くだと誰かに見咎められる可能性があるので、少し離れたところで会う習性ができてしまいましたw

おっちょこちょいな人は、書籍編集部の中で1人だけ出社して仕事していたので、会長から夕方に話しがあると呼び出されているといいます。「本当にイヤなんですよ!私、もう自己都合で会社辞めますっていいます。だからなにも怖いものはないはずですよね」と心底うんざりしていました。最終的には自己都合でいいとしても、まずは「会社都合になりませんか」と交渉してみては?といいましたが、こんなにこじれているものを、そう簡単に首を立てに振るとは思えませんでした。でもそう言うしかない。「もう一息だからがんばって」とおっちょこちょいな人を励まし、彼女は会社へ、私は自宅へと戻りました。

 さて、会社の定時が終わる間際、おっちょこちょいな人からラインが入りました。「とにかくムチャクチャだー!」が第一声でした。「なになに?」「どうした?」「大丈夫なの?」とみんなラインに入ってきます。

とりあえず配置転換先はカラオケ雑誌ということでした。多分、彼女が一番若くてつぶしが利きそうだと思ったのでしょう。しかし、こんないきさつでカラオケ雑誌の方に行っても、もとからいる人たちにも失礼だし、私も気持ちよく仕事ができない。なので断るかもしれない、といったところ、「それなら書店営業だ」と言われたそうです。カラオケ雑誌の編集ならば、今までのキャリアに照らして合理的ではない、とはいえないでしょう。でも書店営業ならば、それは合理的とは言えず、配置転換命令が違法だと言えそうです。

しかし、彼女はどこへ配置転換になるのだとしても、もう会社を辞めることに決めているので、「会社都合になりませんか」という交渉をしたようですが、「もう解雇は撤回しちゃったからねえ」とのこと。解雇を撤回したって、会社都合にすることはできます。完全に足元を見られているように思えます。本当に、どこまでこちらを踏みにじれば気が済むのでしょうか。

さらに、彼女がいつもニコニコしているのをいいことに、会長は言いたい放題だったそうで、「書籍部から反省の言葉がまったく出てこないのが残念だったな。それに解散だと言った時に『どうしても本を作りたいんです』と反論してくる人もいなかった。だから、もういいやって思ったんですよ」とのこと。

もうそれを聞いて、私たちは怒りに震えました。それを言われた彼女も怒りに震えたそうです。なんの話をするのかまったくわからないまま集められて、なんの資料もない状態のところで、いきなり乱暴な話をしたくせに何を言っている!反論なら山ほどあるぞ!コテンパンに反論してやろうか!と私も怒りでめまいがしてしまいました。

さらに会長が「本作りには気持ちが大事なんですよ」と抜かしたとか!「お前の黒い心でなにが気持だ!」とカリスマさんも怒りをあらわにしています。もう、会長にいってやりたいことが山ほど思い浮かんでしまって、この状態で顔を見たら、ものすごい勢いで罵ってしまいそうでした。

とりあえず、おっちょこちょいな人の配置転換についての返事はあさってのお昼までに、ということなので、明日にでも某ユニオンの叔父様のところに相談に行こうということになりました。